2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

詩作14「瞼を閉じて、グッドナイトベイビー」

夜空を見上げて これはなんて星 あの星は? 星々を繋げて星座を描くなんて 昔の人はよく考えたものだ 僕はただ君が健やかに眠ることだけを願う もしも君が悪夢を見ているようだったら そんなシナリオは書き換えてしまえ 脈絡や整合性なんてあったもんじゃな…

詩作13「へんしん」

朝、目覚ましが鳴っても起きれないのは平常運転 いつものようにお母さんに起こされて 目覚めの準備のスマホをチェック 君は私より10分早く起きていたんだね なんだか可笑しくなっちゃった でも、まだそのまま 簡単に返信はしないでおこう これから朝の戦闘…

詩作12「ラジオ体操第二」

目覚ましが鳴る前に目が覚めた 新しい朝だ いつの日から 朝がこわいものになったのだろう 希望の朝だ 喜びに胸を抱けなくなったのは いつの日からだろう お兄ちゃんと行った神社の境内 毎日押してもらったスタンプ その数がわたしの誇りだった 喜びに胸を抱…

詩作11「神さま、おしえて」

世界は朝から始まったのか それとも夜から始まったのか 神さまはどうしたのか分からないけれど わたしは毎日を過ごしている 良いことをして褒められたいし 悪いことはしたくない 毎日、今日の良かったことを思い出して いつの間にか眠りたい たまには反省す…

詩作10「薫風」

目が覚めるととても心地良い夢を見ていた気がする 同時にどこか寂しいような みんな笑っていて 幸せで 私はそんな夢が好きだ でも同時に 夢から醒めるのがとてもこわい これは幻で そんなことなんて現実には起こらない気がして 朝、目覚めた私 まだベッドの…

詩作9「青い朝」

朝焼けを見ようとした青く、薄ずらむ空 赤く染まる空の前に青い空が僕を迎えた 世界はここから始まる青く広がる空 ここから始まる、僕の朝何にも捉われない ここから始まる 朝日が昇る空

詩作8「いであ」

「今回展示されるのはなんとも珍しい深海魚です」夕方のワイドショーで流行りの水族館が特集されている 水槽の中に深海魚がぽつりひとり寂しく漂っている 「かわいそうだな」とわたしこの子はただ じぶんの住処を泳いでいただけなのにせめて一緒にもうひとり…

詩作7「獏」

夢をみていた朝、それだけを覚えている 楽しい夢悲しい夢恐ろしい夢懐かしい夢憧れの夢叶わない夢 全ては獏のエサになるだろう 良い夢は食べないで 残しておいてほしいな嫌な夢だけ食べてくれればいいのに そうすれば押入れの中か 冷蔵庫にでもそっと仕舞っ…

詩作6「ぎゃわぎゃわ」

酒を飲んで布団に潜る度にあのぎゃわぎゃわがやってくる胃のむかむかとは別に 頭のぎゃわぎゃわその度にいつも 酒を断とうと思えど忘れた頃にあいつはやってくるぎゃわぎゃわ ぎゃわぎゃわと 孤独な時間の中に 奴を視る ある日気づいた酒を飲むのはこのぎゃ…

詩作5「瞬間最大風速で駆け抜けて」

公道をのんびり走っていた僕たちとまるで高速道路のように飛ばす君 僕たちがバイパス沿いのお店を眺めていてもそんなものには目もくれないでどこにも立ち寄らず ただ駆けてゆく 寄り道ばかりの僕たちをとっくのとんまに追い越してもうやることがなくなったと…