詩作7「獏」

夢をみていた
朝、それだけを覚えている

楽しい夢
悲しい夢
恐ろしい夢
懐かしい夢
憧れの夢
叶わない夢

全ては獏のエサになるだろう

良い夢は食べないで 残しておいてほしいな
嫌な夢だけ食べてくれればいいのに

そうすれば押入れの中か 冷蔵庫にでもそっと仕舞っておいて
ずっとずっと大切にするのに

朝早く目を覚ました日には
東の水平線から射す あの煌めく朝日に
その夢を掲げるのに