詩作6「ぎゃわぎゃわ」
酒を飲んで布団に潜る度に
あのぎゃわぎゃわがやってくる
胃のむかむかとは別に 頭のぎゃわぎゃわ
その度にいつも 酒を断とうと思えど
忘れた頃にあいつはやってくる
ぎゃわぎゃわ ぎゃわぎゃわと
孤独な時間の中に 奴を視る
ある日気づいた
酒を飲むのはこのぎゃわぎゃわと向き合うためでは?
普段は出逢わない 自分の内に秘めるもの
それと向き合う 自問自答の時間
ぎゃわぎゃわから目を逸らして 生きてはいけない
それこそがいまの自分なのだから
目を逸らしたい 醜悪な内なる自分
目醒めよ、善良なる心よ!
打ち勝て、小さき善なる自分よ!
詩作5「瞬間最大風速で駆け抜けて」
公道をのんびり走っていた僕たちと
まるで高速道路のように飛ばす君
僕たちがバイパス沿いのお店を眺めていても
そんなものには目もくれないで
どこにも立ち寄らず ただ駆けてゆく
寄り道ばかりの僕たちをとっくのとんまに追い越して
もうやることがなくなったと嵐のように去ってしまった
ふと立ち止まれば楽しいことで溢れているのに
洒脱さの欠片もない
そんなことも僕たちにとっての思い出
道中にすごい嵐が駆け抜けていったね
そんな 旅の思い出
詩作2「夢とか虹とか希望とか」
「夢とか虹とか希望とか」
夢とか虹とか希望とか
子どもはよく書かされるけれど
大人の顔色を伺って
当たり障りない 及第点ばかりの
嘘っぱちを並べている
夢とか虹とか希望とか
大人はよく書かせるけれど
子どもはこうあるべきと
期待した通り 及第点ばかりの
嘘っぱちが並んでいる
いつか大人になったときは本当の
夢とか虹とか希望とか
あると考えていた
いつか子どもだったときは本当の
夢とか虹とか希望とか
あったと考えていた
大人なんて自分の通過点で
子どもなんて自分の通過点なのだ
夢とか虹とか希望とか
そんなもの、ない
詩作1「ジョイフル ジョイフル」
「ジョイフル ジョイフル」
明けない夜はないと言うけれど
この夜をどう過ごせばいいのだろう
夜の闇に怯えるわたしに
いつ夜が明けるのか教え給え
止まない雨はないと言うけれど
この雨をどう凌げばいいのだろう
雨の寒さに震えるわたしに
いつ雨が止むのか教え給え
あゞ いつ夜が明け 朝となるのか
あゞ いつ雨が止み 晴れとなるのか
教え給え 教え給え